廃業・閉店の挨拶状 マナー解説と書き方メニュー
廃業・閉店挨拶状の書き方・基本構成
廃業挨拶状の目的
廃業の挨拶状では、ここれまでの付き合い、取引に対するお礼と、廃業により迷惑をかけることへのお詫びの言葉を述べることが大切です。
先方の事前準備をお願いする意味でも、廃業する日を必ず明記しましょう。(日付無し例文もご用意しておりますが、状況にてお使いください)
廃業・閉店挨拶状の基本的な文章構成
- 頭語・結語
- 時候の挨拶・相手を気遣う言葉
- 日頃のお礼の言葉
- 閉店・廃業のお知らせ(廃業日)と感謝
- 結びの挨拶(相手の発展祈念など)
- 郵送での略儀のお詫び
- 日付・差出人
◆挨拶文の参考に
・創業来の年数や、会社が歩んできた歴史について、簡潔に触れておくのも良いと思います。
・廃業する理由については詳しく述べる必要はありません。
・関係者や取引先には、またいつどこでお世話になるとも限りません。丁寧な表現を心がけましょう。
・相手の今後の発展を祈る一文を添えると丁寧です。
1頭語・結語
頭語(拝啓など)・結語(敬具など)には基本的なセットがあります。
「拝啓-敬具」「謹啓-謹白」の何れかをセットで使うのが一般的です。「拝啓−敬具」がもっとも一般的なもので、「謹啓-謹白」はあらたっまた表現となります。
2時候の挨拶
時候の挨拶は、その時期・気候などにあわせて選ぶとよいでしょう。暦を見て時期に当てはまっていれば使える「二十四節気」からくる時候の挨拶のほか、「時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」という季節を問わないオールマイティーな時候の挨拶もあります。
≫時候の挨拶一覧表(別タブ)
◆相手を気遣う言葉
時候の挨拶に続けて「ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」と、このまま使うのがお勧めです。
「ご清祥」や「ご繁栄」などもありますが、個人・法人問わず使える「ご清栄」がオールマイティです。
3日頃のお礼の言葉
「平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます」と、このままで大丈夫です。
ビジネス挨拶状は「会社」と「会社」の挨拶ですので、日頃のお付き合いに感謝を述べてから本題に入るのがマナーとなります。
4閉店・廃業のお知らせ(廃業日)と感謝
閉店・廃業をお知らせします。廃業日を伝えるとともに、これまでの感謝の言葉を述べます。
詳しい理由は書かなくても大丈夫です。
さて このたび 弊社は諸般の事情により 令和○年○月○日をもって廃業することとなりました
これまで賜りましたご愛顧に心より感謝申し上げます
さて 弊社は創業以来 皆様のご厚情を賜り営業を続けてまいりましたが
昨今の情勢に鑑み 令和○年○月○日をもちまして廃業することといたしました
長年にわたるご愛顧に感謝申し上げます
このたび 弊店では店舗一切を取り仕切っておりました○○○○の永眠にともない
令和○年○月○日をもって閉店をすることとなりました
5結びの挨拶(相手の発展祈念など)
以下のようなフレーズを添えることが多いです。
末筆ではございますが皆様のご発展とご多幸をお祈りいたしまして
長年にわたるご愛顧に感謝申し上げますとともに
皆様のご多幸と益々のご発展をお祈り申し上げます
6郵送での略儀にお詫び
郵送時は「本来なら直接訪問して挨拶すべきですが今回は書面で失礼します」というお詫びも入れておきましょう。「まずは略儀ながら書中をもってご挨拶申し上げます」等の形式的な一言で大丈夫です。
7日付・差出人
日付は、挨拶状を差し出す【月】までを記入します(例:令和○年○月)
会社名と代表取締役(代表者)までを差出人とするのが一般的です。
廃業・閉店の挨拶状を送る時期(タイミング)はいつ?
遅くとも1ヶ月前
廃業の報告を受けた取引先は、納品や売掛金・買掛金清算、代わりの取引先を探しなど、多くの準備が必要となります。
相手の準備を考えて、挨拶状は出来る限り早く、2〜3ヶ月前には送付するのが基本です。どんなに遅くとも1ヶ月前には届くようにしましょう。
実際のご注文を見ていると
2〜3ヶ月前に出すのがよく、どんなに遅くとも1ヶ月前という説明をしました。しかし、実際の現場で承っているご注文では、もっと早い時期の廃業報告も少なくありません。
例えば、「今年限りで」というように区切りをつけての廃業では、半年前の報告などをよく目にします。、
廃業・閉店挨拶状のマナーと注意事項
平素は格別のご高配を賜り〜
前文に続くご挨拶である「平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます」の一文。取引などでお世話になっている相手への挨拶ですが、廃業挨拶状でも使っていきましょう。
お世話になっている方、これまで取引きやお付き合いをしてきた方などへ向けた、正式な挨拶状に相応しいご挨拶の一文です。
句読点(、や。)は使わない
句読点は、古くは文章を上手く読めない人に対する補助的な記号として用いられたため、相手に失礼ということで使われていませんでした。
また、物事がスムーズ、途中で途切れないようにという願い、「縁を切る」などの連想を避けたい意味でも句読点を使わないという風習があります。読点の代わりにはスペース、句点の位置では改行するのが基本です。
段落落し(字下げ)は使わない
一般的な文章では、内容のかたまりをごとに段落で区切って、段落の最初を1文字分下げる「字下げ」のルールがありますが、廃業の挨拶状には不要です。
字下げをしない理由は、句読点のときと同じく、毛筆での書き方が慣習として残っている、という説が伝えられています。
そのため、最上段から文章を書きはじめても問題ありません。
忌み言葉を使わない
繰り返しを連想させる言葉は避けます。損失・悪化を連想させる言葉もタブーです。
●重なる ●再び ●重ね重ね ●度々 ●くれぐれも ●追って ●続いて ●潰れる ●倒れる ●終わる ●耐える ●傾く ●失う ●落ちる ●枯れる ●破れる ●壊れる ●詰まる ●負ける ●苦しい ●さびれる ●朽ちる 等
などは、避けた(言い換えた)方が良いでしょう。
≫句読点・頭語結語の詳しい解説※別タブ
廃業・閉店の理由について
廃業理由は簡潔に留める
廃業の挨拶状は、落ち着いた文章で書き進めましょう。
積年の思いがありますが、これまでの感謝とともに廃業することを伝えるに留めるのがマナーです。
無念や不満・未練などのネガティブな言葉は相手が困惑してしまうかもしれません。高齢や体調など事業推移と関係のない理由は書いても問題ありません。
代表者の死去による廃業
社長の死去・店主の死去などで、事実上の経営が不可能になった場合は、ご家族の方などが「会社名や店舗名」で廃業を伝えることになります。
さて このたび 事業一切を取り仕切っておりました ○○○○が令和○年○月○日に逝去し
事業継続が困難となりましたため○○○○は廃業することとなりました
高齢・後継者不在による廃業
「高齢のため」「後継者に恵まれず」「健康上の理由」など、致し方のない理由である場合にも、廃業理由は書き添えたほうが丁寧です。
高齢にて事業の継続が難しいと感じ 区切りの決断をした次第です
後継者に恵まれずやむなく継続を断念した次第です
廃業理由についてのまとめ
■基本的に「諸般の理由」、もしくは「理由に触れない」
■「代表者死去」「高齢」「後継者不在」「健康上」などの場合、理由があった方が相手に丁寧
「昨今の物価高による資金難で」「人件費高騰により人材確保が難しく」などネガティブな要因を掲げるのは避けましょう。「苦渋の決断」「力不足をお詫び」などに留めておくようにしましょう。
廃業・閉店の挨拶状ワンポイント
挨拶状のタイトルを付けましょう
「廃業のお知らせ」「閉店のご挨拶」などのタイトルを付けると分かり易くなります。
廃業・閉店を間違いなく伝えるために、タイトルを見た段階で挨拶文の内容が理解できるようにしておくと確実です。
封筒付き挨拶状で丁寧に
事業の最後を締めくくるご挨拶ですので、ハガキでの略儀ではなく、格式高い封書(封筒付き挨拶状)で出すことをお勧めいたします。
廃業という大きな節目ですので、これまでの感謝をしっかりと丁寧にお伝えしましょう。
引き継ぎ先について
引き継ぎ先となる協力会社を確保してある場合は、挨拶状で紹介しておくとよいでしょう。
先方にとって、代わりとなる取引先を探す手間が省けるだけでなく、事前に協力会社へ取引フローなどを伝えることができるメリットもあります。
先方には、にれまでと大きく変わらない内容で取引できる安心感を持っていただくことがでるでしょう。
■引き継ぎ先がある場合は別記がお勧め
業務の引き継ぎ先がある場合は、引き継ぎ先会社の詳細は「記書き」でお伝えすると、相手に分かりやすく伝えることができます。
記
引き継ぎ会社
△△△△株式会社
住 所 〒171-0014 東京都豊島区豊島丘1-2-3
電 話 03-0000-0000
FAX 03-1111-1111
引き継ぎ 令和○年○月○日(○曜日)