法人成りの挨拶状 マナー解説と書き方メニュー
法人化・法人成り挨拶状の書き方・基本構成
挨拶文の要点
法人成りの挨拶状は、取引先や関係会社に対して新会社を設立して、法人としての取引きに切り替えることを正式にお知らせするものです。
これからの抱負と決意を表明、新会社の詳細情報のお知らせとともに、今後の厚誼を謹んでお願いするのが法人成り挨拶状の目的です。
法人成り挨拶状の基本的な文章構成
- 頭語・結語
- 時候の挨拶・相手を気遣う言葉
- 日頃のお礼の言葉
- 法人化・法人成りのお知らせ
- 今後の抱負とお力添えのお願い
- 日付・差出人
- 設立した新会社の詳細(別記します)
1頭語・結語
頭語(拝啓など)・結語(敬具など)には基本的なセットがあります。
「拝啓-敬具」「謹啓-謹白」の何れかをセットで使うのが一般的です。「拝啓−敬具」がもっとも一般的なもので、「謹啓-謹白」はあらたっまた表現となります。
2時候の挨拶
時候の挨拶は、その時期・気候などにあわせて選ぶとよいでしょう。暦を見て時期に当てはまっていれば使える「二十四節気」からくる時候の挨拶のほか、「時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」という季節を問わないオールマイティーな時候の挨拶もあります。
≫時候の挨拶一覧表(別タブ)
◆相手を気遣う言葉
時候の挨拶に続けて「ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」と、このまま使うのがお勧めです。
「ご清祥」や「ご繁栄」などもありますが、個人・法人問わず使える「ご清栄」がオールマイティです。
3日頃のお礼の言葉
「平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます」と、このままで大丈夫です。
ビジネス挨拶状は「会社」と「会社」の挨拶ですので、日頃のお付き合いに感謝を述べてから本題に入るのがマナーとなります。
4法人化・法人成りのお知らせ
新会社を設立して法人成りすることをお知らせします。経緯や目的などの説明を加えることもできます。また、新会社の詳細については、「左記のとおり」として別記します。
さて このたび ○○○○は左記のとおり株式会社として法人化することとなりました
左記のとおり法人化することといたしましたのでお知らせ申し上げます
今後の成長を見据え インボス制度など変化してゆく仕組みに対応できる体制整備を図ってまいる所存です
5今後の抱負とお力添えのお願い
抱負と今後のお願いは以下のように連続したフレーズにすることが多いです。
〓 幅広く使える例 〓
これからも皆様のご期待に添えますよう誠心誠意努力してまいる所存ですので
何とぞ一層のご支援ご鞭撻のほどお願い申し上げます
〓 具体的な例 〓
今後は心機一転 新たな気持ちで業務に精励してまいりますので
何とぞ倍旧のご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます
6日付・差出人
日付は、挨拶状を差し出す【月】までを記入します(例:令和○年○月)
新会社名と代表取締役までを差出人とするのが一般的です。
◆郵送での略儀にお詫び
郵送時は「本来なら直接訪問して挨拶すべきですが今回は書面で失礼します」というお詫びも入れておきましょう。「まずは略儀ながら書中をもってご挨拶申し上げます」等の形式的な一言で大丈夫です。
7設立した新会社の詳細は、分かりやすく別記します
法人成りを挨拶文でお知らせしたら、別記で「新会社」の詳細を記載します。
記
社 名 株式会社○○○○
(旧 △△△△)
住 所 〒000-0000 東京都豊島区池袋0-0-0
電 話 00-000-0000
FAX 00-000-1111
業務開始 令和○年○月○日(○曜日)
状況により、インボイスの登録情報、新銀行口座、役員構成、事業内容などを記載するようにします。
法人化・法人成り挨拶状を送る時期(タイミング)はいつ?
1カ月前が理想的
新規開業とは異なり、既に取引きがある先方の登録情報(社名が変わりますので、郵送物や商品の届け先、銀行口座など)を更新していただく必要があります。
登記をしてから挨拶状を出すという手順になりますが、相手の準備をスムーズに行っていただくためにも出来るだけ事前にお知らせするようにしましょう。
タイミングを工夫
現状で取引が継続している以上、いつから法人(設立新会社)に切り替えるのかという判断になります。
取引相手に切り替えをお願いする前に、自身の事業の各種切り替え手続きが必要になることも多いでしょう。
新会社を運用スタートできる日を見越して事前に挨拶状を出すようにすると良いでしょう。
どのように切り替えていくか次第ですが1カ月前を目安に切り替えをお願いするのが一般的です。
「何月から業務開始します」というようなわかり易い業務開始日(切り替え日)を設定するなり、スムーズに更新していただけるように工夫しましょう。遅れた場合もいち早く出すようにします。
「吉日」などのへの配慮もマナー
投函日までの余裕があれば、今後の更なる発展を祈念し「大安や一粒万倍日」などの吉日に出すとよいと思います(投函日を指定できますのでご利用ください)
縁起の良い日(吉日)を選んで出すという、挨拶状特有の習慣も意識しながら新体制の安泰を願というのもマナーのひとつです。
≫挨拶状を会社で作る事前準備※別タブ
住所録の事前準備⇒挨拶文⇒印刷⇒宛名⇒封入⇒投函までサポート
A4三つ折り挨拶状で出す場合
A4三つ折り挨拶状もご用意
A4用紙を三つ折りにして長3封筒に入れる「A4三つ折り挨拶状」は、ビジネスライクかつフォーマルな通知やご案内に適しています。
上質紙(一般的な用紙)のほか、高級感のある大礼紙、伝統的な奉書紙、アラベール(上質なファインペーパー)などがお選びいただけます。
【封筒付きカード挨拶状が多数派】
■右面で法人成りのお知らせとともに今後の支援をお願いする挨拶文
■左面で設立した新会社の詳細を報告
法人成りの挨拶状ではこのような構成で、2つ折りカード挨拶状を選択されるのが多数派ですが、スタイル的にA4挨拶状を好まれる方も多くいらっしゃいます。
挨拶状レイアウト
タイトル・本文・書名(+別記等)で構成される一般的な挨拶状レイアウトです。
封筒付きカード挨拶状と同様の構成・マナーでご挨拶きます。(A4挨拶状の方がビジネスライクな印象)
■挨拶状レイアウトの特徴
・楷書体・句読点なし
・段落無し
・横書きですが、挨拶状本来のマナーを踏まえた書き方
■挨拶状レイアウトなら
・横書きなので数字やアルファベットが読みやすい
・5枚組まで対応できます
などの使い方もできますので、状況に合わせてお使いください。
ビジネス文書レイアウト
「前付け」と呼ばれるヘッダー部分があるのが特徴、業務的な通知・お知らせ・ご案内に適しています。
会社からの一斉通知向けで、礼儀を正したご挨拶(いわゆる社交文書)は向きません。
■ビジネス文書レイアウトの特徴
・明朝体・句読点あり
・段落有り・無し(文章による)
・左上に「○○各位」から始まるスタイル
■ビジネス文書レイアウトなら
・横書きなので数字やアルファベットが読みやすい
・5枚組まで対応できます
などの使い方もできますので、状況に合わせてお使いください。
法人化・法人成り挨拶状のマナーと注意事項
平素は格別のご高配を賜り〜
前文に続くご挨拶である「平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます」の一文。取引などでお世話になっている相手への挨拶ですが、法人成りでも使っていきましょう。
お世話になっている方、会社として取引きやお付き合いをお願いしたい方などへ向けた、正式な挨拶状に相応しいご挨拶の一文です。
句読点(、や。)は使わない
句読点は、古くは文章を上手く読めない人に対する補助的な記号として用いられたため、相手に失礼ということで使われていませんでした。
また、物事がスムーズ、途中で途切れないようにという願い、「縁を切る」などの連想を避けたい意味でも句読点を使わないという風習があります。読点の代わりにはスペース、句点の位置では改行するのが基本です。
段落落し(字下げ)は使わない
一般的な文章では、内容のかたまりをごとに段落で区切って、段落の最初を1文字分下げる「字下げ」のルールがありますが、法人成りの挨拶状には不要です。
字下げをしない理由は、句読点のときと同じく、毛筆での書き方が慣習として残っている、という説が伝えられています。
そのため、最上段から文章を書きはじめても問題ありません。
誤字・脱字に気を付ける
法人成り・法人化の挨拶状は、事業の最重要局面をお知らせする格式の高い挨拶状です。
挨拶文の誤字脱字には細心の注意を払う必要があります。社名、業務開始日なども間違えないように複数人でチェックするくらいの細心の注意を払う必要があります。
宛名の誤入力にも気を付けましょう(プリントメイトの宛名印刷は1件ずつ目視確認しております)
忌み言葉を使わない
衰退・倒産を連想させる言葉は避けます。損失・悪化を連想させる言葉もタブーです。
●潰れる ●倒れる ●閉じる ●終わる ●耐える ●傾く ●失う ●落ちる ●枯れる ●破れる ●壊れる ●詰まる ●負ける ●苦しい ●さびれる ●朽ちる ●燃える 等
などは、避けた(言い換えた)方が良いでしょう。
≫句読点・頭語結語の詳しい解説※別タブ
法人化・法人成りの挨拶状ワンポイント
挨拶状のタイトルを付けましょう
「法人化のお知らせ」「法人化に伴う社名変更のお知らせ」などのタイトルを付けると、一段と分かりやすい挨拶状になります。更に新会社の詳細を別記することによって、
■「タイトル+別記」で新会社の確実な案内
■丁寧な挨拶文で皆様への感謝と今後のご厚誼のお願い
と、それぞれを際立たせた挨拶状が完成します。
挨拶状の差出人について
法人成りする前(法人を運用する前)に挨拶状を出すのが理想的ですので、個人事業主または活動名称での挨拶なら「今後、この会社で運営していきます」という挨拶文と差出人が一致します。
ただし、会社は設立済みだと思いますので、新会社名+(旧 ○○○○)などと併記して出すのがお勧めです。
株式会社○○○○
(旧 ○○○○)
代表取締役 山田太郎
法人移行のタイミング
法人成りの場合は、会社設立日とは関わりなく業務開始日(個人から法人への引継ぎ日)を自分で決められますので、相手にわかり易いように挨拶状の内容・業務開始日・差出人名は工夫して下さい。
銀行口座の変更について
挨拶状に銀行口座を記載するかしないかは、挨拶状を受け取る相手により変わります。取引担当者に別途通知する必要があれば、挨拶状には必要ないかもしれません。
また、お客様からのお問い合わせの多いケースとして「口座がまだ出来ていない」というのもです。法人成りの場合、設立後にほとんどの手続きを行う為に起こりがちなことです。
そのような場合は、銀行口座は別途通知すればよいでしょう。
インボイスについて
法人化して、「個人のときは未登録」だった「インボイスを取得」した場合は、挨拶状に適格請求書登録番号を載せるのもアピールのひとつになります。また、インボイスについても銀行口座に担当者宛ての通知は必要です。
お祝いへのお礼を忘れずに
法人成りなど新会社設立のお知らせしたら、お祝い状や祝い花が贈られてくることがあります。このような祝意にはマナーに沿ったお礼が大切です。
直ちに電話などでのお礼することも重要ですが、お礼状で丁寧なご挨拶をすると非常に好印象になります。
今後の信頼関係継続のためにも、お礼状でしっかりとしたご挨拶をしておきましょう。
≫設立祝いへのお礼状 文例集※別タブ